人と人をつなぐ「たすき」となり
人事労務管理全般をサポートします
にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和3年12月号(No.25)
【会社の看板を背負う車】
2021年も残り1ヵ月となりましたが、11月最後の日曜日、ファミリーや団体がチームを組んで様々な距離をリレー形式で走る大会に参加する機会をいただきました。今回、和歌山社会保険労務士会に関わる方々と一緒に走りましたが、私自身実は「バトン」を持って走るのは陸上部時代を含めてありましたが「たすき」をかけて走るのは生まれて初めてでした。小さいころから長距離走が苦手で、陸上部のときも駅伝メンバーとして選ばれることがなかったので、今回ドキドキしながらも「たすき」をつないで仲間とともに走ることの楽しさを感じることができて良かったです。事務所だよりも「たすき」というタイトルをつけているとおり、人と人をつなぐ社会保険労務士をこれからも目指したいと感じます。
さて本題に入りますが、私の事務所兼自宅の付近は昔と比べると道路が広くなり、車の運転は非常にしやすくなりましたが、今も長い時間をかけて拡張や付近に迂回する新しい道路を建設している箇所がいくつか見受けられます。事情があって工事が長くなるのかもしれませんが「早く広げてくれないかなあ」と心の中でついつい呟いてしまいます。1年ほど前ですが、原付で走っている時に狭い道路の近くで宅地開発の現場作業をする方の車が溝に脱輪しているのをみかけ「押しましょうか」と車の後ろを押しましたが結局抜け出すだすことが出来ず「もうすぐ仲間が現場に到着するので大丈夫です。ありがとう」と言われお役には立てませんでしたが、お礼を言われたのはとても嬉しかったです。いっぽうここ最近気になるのが、同じ狭い道路でどうしても車が対向できない箇所が多く、どちらかが手前で待つ必要があるのですが、ほとんどはこちらが待っている場合、通り過ぎる車に乗っている人は会釈をするか「プッ」とか「ピッ」とクラクションで合図しますが、私が車で待機しているとき残念ながら近所にある会社(おそらく営業車で医療機関とやり取りをしている会社)の方で会社名が堂々と入っている車を運転しながらも全く会釈や合図をする様子もなく、私が原付で走っていて前の車が待機しているのを見かけたときも同じ会社で違う方が運転していましたが、やはり会釈や合図をしていなかったので残念な気持ちになりました。たまたま偶然、そして単なる私の性格がそのように感じるだけかもしれませんが、会社の看板を背負う方の運転に気配りや配慮がないというのはとても勿体ないと感じます。運転と業務は無関係であったとしても、何気ない気配りのある運転をして損はないと思いますし、車を使用する業務に携わる従業員に対して「安全運転はもちろん、常に配慮のある運転を心掛けるように」と伝えるだけで「あそこの会社の車乗っている人いつも運転丁寧で親切やなあ」と言われることが積み重ねられ、回りまわって会社の評判にもつながるかもしれません。優しさのない看板を背負った車が思わぬところで写真や動画で拡散される恐れがあることも意識しなければならない時代だから尚更です。
【「アフターコロナ」による人材不足】
先日テレビのニュースで都心における深刻な人手不足が取り上げられていました。和歌山県内を見てもコロナの影響により深刻な求人不足であった1年前の8月から12月の有効求人倍率1.0倍を下回っている状況と比較すると今年は5月から7月は有効求人倍率1.1倍超と近畿平均と比べても高い数字になっており、アフターコロナを見据えた雇用状況の回復が見られているのかもしれません。ちなみに新規有効求人倍率とはその月に申し込まれた求職者数と、同じ月に受け付けられた求人数を用いて統計を出しているのに対して、有効求人倍率は前月から繰り越された求職者数と求人数に、新規有効求人倍率分の求職者数と求人数を加算して統計を出した数字です。(和歌山県の新規有効求人倍率は、近畿平均を下回っています)それでニュースの内容に戻りますが、都心では緊急事態宣言解除に合わせて労働力の奪いあいが始まっており、時給を大幅にアップしただけでは求職者の応募は全くないと飲食店関係者の方が嘆いていました。求職者の本音としてサービス業の求人についてはコロナに関する影響を考えると再び拡大傾向になれば雇用が守られるか保証がないという不安とコロナに感染するリスクが高いかもしれないという不安、この二点によりさらなる人材不足がサービス業に影響を与えているのかもしれません。
求人の募集については、ただ単に条件なくオープンに採用を行うと採用後のミスマッチにより雇用の継続が見込めず、離職率が高まるリスクがあります。求職者に対してそのお店、その会社の魅力をいかに伝えるか。良い部分ばかりではなく、厳しい現状も正直に伝えながら、それでもそこで働くことの感動や喜びを求人内容に反映させることによって給料の高さだけではない「働きたいと感じる職場」「魅力的な職場」がアピールできれば人財の獲得につながるかもしれません。ことばでは簡単ですが、現実的に人件費の上昇は避けられません。現在の和歌山県内の時間額は最低でも859円以上であり、私が求人広告の営業をしていた2005年当時のような時給650円ぐらいと比べると、人の雇用は人件費の面から見てもますます難しくなります。そうなってくると、いかにして人材が少ない状態を乗り越えるか。いかにして少ない人材の中で業務をこなしていくかがこれからの最重要課題になるかもしれません。飲食店ではタッチパネルによる注文方式に変更されたところも多く見られるようになりましたし、別の店ではお客さんに複写式で手書きの注文を記入させる店も前に見かけました。アナログであっても業務の手間が省かれることに違いありません。またニュースでは車輪のついたロボットが注文の品を運ぶ新たな試みも伝えられていました。新しいシステムの導入をはじめ、モノの配置場所や動線の変更、従業員さんが行っている業務について事務分掌による適正な人材の配置を行うだけでも人材募集を検討する前に大幅な業務改善が期待できるかもしれません。
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